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《対虫歯菌用》"殺し屋"の雇い方

タイムリミットは90分

最低でも1時間半は空けてください

虫歯を誘発する間食

食事の後、
次に何か食べ物を口に入れるまで
少なくとも90分…

1時間半は時間を
置いてください。

すぐに食べ物を食べたり、
間を置かず、ずっと
何かを食べている状態だと

その後、虫歯になる可能性が
大きく跳ね上がります。

栄養のある食べ物が
口の中に入っていると

口内の雑菌がずっと
活発に動くようになるので、

常に丈夫な歯にダメージを
負っている状態になるのです。

なぜ、そうなるのかを
これから詳しくお話します。

そもそもなぜ虫歯になるのか?

虫歯というのは口に入れた食べ物から
虫歯菌(ミュータンス)が糖分を吸収し
ネバネバの物質の歯垢(プラーク)を作り出します。

歯垢ができるとその中で
虫歯菌はどんどん増殖し、

歯の周りに「バイオフィルム」という
ネバネバの幕を作っていきます。

歯を磨かずに寝たりすると
口の中がネバネバするのは

食べ物の残りカスのせいではなく、
虫歯菌のバイオフィルムのせいです。

このバイオフィルム。

虫歯菌によるバイオフィルム


大変、厄介なシロモノで
虫歯菌ごと歯の表面に
強力に張り付くため、

一度、発生すると
虫歯菌をバリアする効果を発揮し、
歯磨き粉の成分や、抗菌剤などを
寄せ付けなくなるだけでなく、

普通に歯ブラシで磨いた程度では、
取れなくなります。

バイオフィルムの中で守られた虫歯菌は、
取り入れた糖を、乳酸等の酸に変え、
その酸で口の中全体を酸性にし、
歯をゆっくり溶かしていきます。

口の中が酸性になり、
歯が溶け出すことを専門用語で
「脱灰」と言います。

何も食べてない時の口の中は
酸性ではなく中性です。

モノを食べることで
虫歯菌が大量発生し、
中性から段々、
酸性になっていくのです。

そんな酸性で
ムチャクチャになった口内を
頑張って中性に戻し、

歯を正常な状態に
戻してくれるのが
「唾液」です。

唾液の主な役割は以下の通りです。

・口内の酸性化を抑える
・歯の成分リン、カルシウムを含み歯を修復する
・酸度とアルカリ度をバランスよく保つ
・殺菌、抗菌作用によりバクテリアを排除する
・歯の表面のエナメル質、象牙質を強化する
・歯、粘膜を守ってくれる

この酸性化した口内を
中性化することを専門用語で
「再石灰化」と言います。

前回、唾液が少なくなる寝る前に
食べると虫歯になりやすくなる話をしましたが
その理由がこれで分かったと思います。

虫歯になりたくなかったら脱灰を避けろ!

つまり、「虫歯になりにくい環境」を作るには、
なるべく虫歯菌が悪さをする脱灰時間を作らないようにし、
できるだけ口の中を中性にしておけばいいのです。

食べる時間を短くしたり、
次に食事するまでの時間を
大きく空けることで、

虫歯菌が活発になるのを防ぎ、
口内がいつも綺麗な状態を
キープすることができるのです。

何も食べなければ虫歯にならない

その通りです。

何も一切、口にしなければ、
虫歯になることは防げますが、

しかしそれをすると、
餓死してしまうので、
普通に無理です。

私たち人間が生きていくためには
必要な栄養を取り入れるため、
基本、何か食べていかなければ
ならないことから、

どうしても虫歯菌増殖からの、
脱灰は避けられません。

なので、虫歯菌たちとは
うまく距離をとって
やっていかなければ
ならないのです。

なんかタチの悪い親戚みたいな感じですが、
そういう認識でOKだと思います。

口内の脱灰は生きている限り、
今のところ防げないということを
理解した上で、

では、一度食べ物を口にして
酸性化した口内がどれだけの時間で
元の中性に戻るのか?

次の食事まで最低、
何時間空ければ良いのか?

について
お話したいと思います。

短くても90分

どれだけ時間を短縮したとしても
次の食事をするまでに
1時間半は空けてください。

脱灰に詳しい歯科医の意見では、
脱灰した口内を再石灰化し、
元の中性に戻すのに90分、
時間がかかるとのことで、

その間に食事をすると、
口内が酸性化したままになり、
虫歯菌が繁殖し続け、

虫歯になりやすい環境に
なってしまいます。

規則正しい食生活を

こちらのグラフを見てください。

脱灰、再石灰化グラフ

出展:歯周病・虫歯治療(歯周病の検査、歯周病原細菌検査PCR法、脱灰・再石灰化について、Er:YAGレーザーなど) | 上星川の歯科医院 オーラルプラン歯科クリニック

この図は脱灰と再石灰化が、通常どのように
繰り返されるのかを視覚化したものです。

上の規則正しい食事をしている人は、
再石灰化の時間がとても長く
全体的に口の中が中性であることが
分かると思います。

脱灰しやすい人のグラフ



次に下の間食の多い人を見てください。

口の中にモノが入っている時間が長いため
再石灰化の時間がとても短く、

丸をつけた昼食の時間については
ほとんど再石灰化されず、

常に虫歯菌が繁殖し、
歯を攻撃している
脱灰状態であることが
分かると思います。

このように虫歯を防ぐには、
甘いものを食べる量以上に、

「食べる回数」「食べている時間」に
目を向ける必要があるのです。

ながら食べ、間食で時間をかけない

食事そのものを楽しむ
コース料理は仕方がないとして、

家でテレビを見たり、友達と話しながら
ダラダラ長時間、食事するのもよくないですし、

特に虫歯になりやすい時期の
遊び食べして時間がかかる子供には
十分、注意しないといけません。

再石灰化中は口に何も入れない

食べ物が口に入っている間も
脱灰は起こっています。

口さみしいと、食後や、
休憩時間、仕事中に、
飴やガム、タブレットを絶えず
口に入れている人たちがいますが、
アレ、大変良くないです。

バイオフィルム製造機に
なっています。

虫歯まっしぐらです。

口に何か物が入っている間は、
再石灰化できないので、

口内をきちんと中性化するために
食後はしっかり時間を空けましょう。

虫歯予防は自意識次第で180度変わる!

口内環境が悪いと
どんなにもともと綺麗であっても
2ヶ月で虫歯が発生します。

虫歯ができやすい人、
虫歯治療の間隔が短い人ほど、

再石灰化できない、
再石灰化しない口内に
なっています。

食べることが好き、
甘いものが好きなのは
分かりますが、

美味しいものは
空腹であるからこそ、

最高に美味しく
いただけるので、

より食事を味わうためにも、
できるだけ間食は控え、

これからは食事回数、
食事時間に気をつけていただき、

虫歯対策をしっかり、
行ってください。

8020運動により虫歯を防いだ老父婦

虫歯になるのをうまく防げば、
80歳で20本の歯を残すのは
それほど難しくないです。

口内環境が良ければ、
歯槽膿漏にもなりにくいので、

是非、今日から
「口内中性化運動」を
進めていってください。

歯専門ブログ
《Perfect Dental》

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